《今週のテーマ》
★部下に任せて部下を育てる
率先垂範の一番の弊害は、部下が育たないとうことである。部
下が育たなければ、組織としてのパワーもアップしない。しかし、
現実にはそんな組織が少なくないのだ。なぜか?管理者にこんな
意識があるからである。
「上司として、あらゆる仕事において、部下よりすぐれていなけ
ればならない」
確かに、気持ちは分からないではない。だが、現実論としては
いかにも“肝っ玉”が小さい。仮に、そんな思いで組織を動かし
ていたら、堅苦しくて息が詰まってしまうのではないか。
営業面に関してはこの部下のほうが優秀、技術的には彼のほう
が上といったことを認めることに、何か問題があるのだろうか。
問題などまったくない。自分より優秀な部下を持つことは、少し
も屈辱的なことではない。それどころか、大いなる誇りなのだ。
自分がやらねば、という自負心を持つことはいい。しかし、そ
のために部下の仕事を奪うことになっていたら、その上司は人材
育成能力なしと取られても仕方がない。しかも、そういうタイプ
の上司にかぎって、部下の仕事を奪うことに汲々とするあまり、
自分の任務を果たしていないなどということになっているのだ。
まさに本末転倒である。
100%が仕事の完成だとすれば、60%は部下に任せ、残りの40%
を自分がフォローする。上司には、そんな感覚が必要である。そ
の場合、任せる部分についてはすべて任せるのが重要なポイント
になる。任せると言いながら、あれこれ口出しするのは、“ルー
ル違反”だ。
「この仕事は君に任せる。ただし、最終見積りについては私の意
見を聞け。それから最後の交渉のときは私も同席する」
こんな具合に、任せない部分を名言する。これは留保権限とい
う。後はすべて任せるというのが本来のやり方なのだ。まずこの
部分だけ任せて、それができたら次はこの部分というような“小
出し”の任せ方は部下を育てることには決してつながらないので
ある。
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