《今週のテーマ》
★ベストセラー戦略かロングセラー戦略か
商品戦略について考えなければならないのは、「ベストセラー
戦略」でいくか、「ロングセラー戦略」でいくかという問題であ
る。一発特大のホームランをかっとばすか、コンスタントに息長
くアベレージを保つか、どちらの考え方によって経営戦略を展開
していくかだが、基本的なコンセプトとしては、「ロングセラー」
をめざしてこつこつと体制づくりをするマーケティング戦略のほ
うがベターだろう。
ベストセラーというのは、地道な努力の積み重ねというより、
いわば偶発的な突発事故といった要素が強く、体制づくりに寄与
しないところがある。もともと人員・設備の急激な増大などによ
って、企業に混乱を招くおそれがでてくるのだ。足腰がしっかり
していないのに、体重ばかりブクブクとふえてしまうようなもの
である。これでは、10年先、20年先の会社の“あるべき姿”を見
すえて堅実な歩みをつづけることはできないだろう。
したがって、はじめからベストセラーをねらった戦略をたてる
のではなく、こつこつとロングセラーをねらって、地道な体制づ
くりにはげむのがより“あるべき姿”への近道といえるだろう。
ベストセラーというのは、そうした不断の努力のなかから、いわ
ば副産物的に生まれてくるもの、と考えたほうがいい。
なお、商品戦略に関して、いま一つ「プライス・バリュー戦略」
というのを知っておいていただきたい。
これは、バリュー(価値)とプライス(価格)とのバランスに
重きを置いた考え方で、商品単価を下げるわけにはいかないとい
う場合、値段を下げないかわりに、その商品価値を高めて、バリ
ューとプライスのバランスをとるという手法である。
外車販売などの戦略は、この具体的な好例といえる。たとえば、
ドイツの高級スポーツカーBMWは、以前は特定の階層の人間以
外、国内ではさっぱり売れなかったが、最近では順調に売れゆき
を伸ばし、一般層にもかなりくいこんでいる。これは、下取保証
やリースシステムによって付加価値が増し、プライスとバリュー
がつりあいはじめたためである。つまり、高い金を払っても、た
しかにそれだけの価値がある、ユーザーにそう思わせるのが「プ
ライス・バリュー作戦」なのである。
この戦略は、現在のマーケティング戦略のなかできわめて重要
な意味をもつものであるから、ぜひおぼえておいていただきたい
と思う。
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