《今週のテーマ》
★人事、経営の基本は愛なり
人をマネージメントするうえで、経営者はどんなことを心がけ
ればよいのか。このマネージメント上の原則を以下に列記してみ
よう。
1.信頼の原則
信頼とは、基本的に耐えることである。少々のミスがあっても、
一度や二度失敗があっても、長い目でみて辛抱強く育てていく、
そうした経営者の揺るぎない姿勢があってこそ、社員は自分の能
力を開花させることができ、思う存分実力を発揮することができ
るのである。
2.権限委譲の原則
社員にある職務を与えると、当然その職務に応じた権限が生じ
る。したがって、人事というのは、経営者が社員にさまざまな権
限を委譲すること、という言い方もできる。
その際大切なのは、権限を与えた以上、そのすべてを社員にま
かすという大きな心を持つことである。もし社員の側で迷いが生
じれば、そのときは先方のほうから経営者に相談をもちかけてく
るはずだ。それまで経営者は、広く、あたたかい気持ちで社員を
見守ってやればよいのである。
3.自己評価の原則
自分の仕事に責任をもつという意味で、仕事の成果を自ら評価
することである。他人の評価だけに気をとられていると、主体性
のある行動がとれなくなるし、また、本人の責任回避にもつなが
る。その意味で、仕事の成果を自己評価するというのは非常に価
値があるといえるだろう。
企業によっては、こうした自己評価をきちんと上層部に報告す
ることを義務づけている「自己申告制度」を採用しているところ
も少なくないが、これも、社員の独立意欲を養い、責任感を持た
せるよい方法である。
4.一体感の大切さ
各人が独立しながら組織のなかに参加し、会社という一つのま
とまった人間集団ができあがる、そのとき、個々の人間をつなぎ
あわせる太い糸が一体感であり、その基本はいうまでもなく、
「愛情」である。
私の主宰する経営塾に、ある不動産会社が出資しているレスト
ラン事業の若手社員たちが参加している。
この不動産会社は、「世界の住文化と食文化を地域に」という
テーマで、レストラン経営という新規事業に乗り出し、この別会
社の基本コンセプトから出店計画、収益決算まであらゆる業務を
すべて若手の社員にまかせている。だから、若手社員たちは、民
族料理を学ぶためにインドに渡航したり、自発的に研修会を開い
たりと、自分たちの意志で活動を積極的に推し進めているのであ
る。
私どもの経営塾で、「経営の何たるか」を学ぶのも、親会社の
トップの考えによるものだが、若手社員たちは自発的意志をもっ
て、顔を輝かせて参加してくれる。
ここに、おざなりなシステム対応型人事でなく、社員のヤル気
と情熱をたくみに引き出すフレキシブルなマネージメント対応型
人事のみごとな好例がある、と思う。
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