《今週のテーマ》
★“人づくり”の原則
人事も、その基本はやはり“人づくり”である。
この“人づくり”の要点をあらためてまとめてみると、
1.人材育成は、長期計画で、じっくり腰をすえてかかる。
2.育成対象は、できるかぎり一人にしぼりこむ。
3.対象が決まったら、その人間に意志を入れ、信用し、とこと
ん愛情を傾ける。
という具合になる。以上の点に留意して、決してあきらめず地
道な努力を続ければ、まだ頼りなげな若芽もしっかり大地に根を
おろし、いずれたくましい大樹に育つものだ。
なお、“人づくり”に関して、もう一言つけ加えておくと、後
継者選びや役員人事を行なう際、互いに社員を競い合わせ、その
競争に勝ち残ったものを選ぶという方法が、多くの企業で採られ
ているようだが、こうしたやり方には感心できない。
たしかに人間社会のなかでは、なんらかの形でつねに競争原理
が働いていることは否定できない事実である。しかし、だからと
いって、経営者が率先してサバイバルレースのごとき露骨な出世
競争をやらせてみたところで、本当の実力を養うというより、か
えって視野の狭い偏狭な人間をつくるのがオチで、益少なく、む
しろ害のほうが大きい。ビジネスの目的は、けっして他人に勝つ
ためなどというちっぽけなものではないのだ。
そもそも、社員間で競争させてその結果をみるというやり方は、
経営者自身が、自分の人間をみる眼、あるいは、マネージメント
能力に自信がない証拠で、つまりは、心の底から社員を信用して
いないのである。こうした人間性を無視したやり方で、真にすぐ
れた後継者を育てることはとうていできないのである。
だから、“人づくり”をする際は、これと決めたら一筋に、と
ことん愛情を傾けて育ててあげる、というやり方がやはりベスト
だ。
要は、親の子に対するごとくやさしく、そして厳しい愛情を持
てばよいのである。
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