《今週のテーマ》
★実力主義が人を残す
そもそも「人事」とはいったい何なのか。
言うまでもなく、それは企業活動を効率的かつ円滑に行なうた
めのポジショニングである。
ただ、ここで私が強調しておきたいのは、「人事」とは、決し
て人間を管理するためのシステムであってはならないということ
だ。そうではなく、その人間が自分の持てる能力を十二分に発揮
し、思う存分仕事ができるポジションを与え、自然に自己啓発力
が高められるようにマネージメントすること、それがすなわち
「人事」だと、私は考えている。
要するに、「人事」とは、“人に課題を与えること”にほかな
らないわけで、その根底に、つねに「人材育成」という大局的な
視点がなければならないのである。「人事」がシステム化し、制
度化してしまった典型例としては、日本企業に旧来からあった
『年功序列型人事』を挙げることができるだろう。
この年功序列型の最大の欠点は、いったん地位ポストにつけば、
めったなことではそれを取り上げられないという既得権が与えら
れるため、自らを高めようという社員自身の学習意欲が失われ、
社員それぞれの個性や感性、知恵が封じこめられてしまうという
点である。新しい変化が起こらないために、組織のムードが沈滞
し、活力が失われてしまうのである。
そうなれば当然、企業活動は停滞し、後退の道をたどることに
なる。
「人事」は社員の意欲を摘みとるものであってはならない。し
たがって、これからの「人事」は、社員の潜在的可能性を上手に
引き出すために、明確なコンセプトを立て、きちんと方向づけを
し、マネージメントする、そうしたマネージメント対応型の実力
主義人事に移行すべきだ。
「人事」の要諦は、あくまで「人を育てる」ことにあるのであ
る。
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