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社長・経営者のためのメールマガジン

〜〜〜『社長の着眼』〜〜〜

2006年12月18日号(vol.167)
毎週月曜発行
発行:飯塚保人(ヤスンドコム http://www.yasundo.com)
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《今週のテーマ》
★100人の社員がすべて人材とはならない

 「人材」とはそもそもどういう意味なのか。
 言うまでもなく、「人材」は「員数」とはちがう。「員数」とは、 給料の対価として与えられた仕事だけをする人間、つまり、言わ れたこと、決められたことだけを機械的に実行するサラリーマン 的感覚の人間をさす。
 これに対して、「人材」とは、自らの価値、能力を、自発的に 企業体のために生かし、数字にあらわれる損益勘定以上の利益を 企業体にもたらす人間のことである。したがって、「従業員100名 以上の会社」といっても、その100人の人間のすべてが、「人材」 であるとはかぎらない。

 この点はたいへん重要なポイントである。つまり、従業員が100 人いる場合、その100人の各人一人一人と人間的な結びつきを持ち、 確固たる信頼関係をつくり、人材教育をしようとしてもしょせん 無理な相談だということである。将来自分の片腕となるような人 材を育てあげるには、当然員数のなかから人材をしぼりこんで、 自分がこれだと思った人間に対して徹底的に教育を行なう必要が あるだろう。このしぼりこみが「人材育成」の要点なのである。

 いささか話が飛ぶようだが、フランスあたりのレストランのシ ェフ・オーナーは、どんなに店が繁盛していても、めぼしい後継 者がいない場合には一代かぎりで店を閉じてしまうことが多いと いう。もちろん、自分の味を後世に伝えるため、何年もかけて弟 子のコックたちに徹底的に料理を仕込むのだが、それでも誰も満 足がいく味が出せなかった場合、あっさり店をやめてしまうとい うのである。味を落としてまで店を続けるより、あっさり一代か ぎりでやめてしまったほうがお客様のため、というのが彼らの考 え方らしい。

 料理作法と会社経営とではいささか趣が異なるかもしれないが、 つまりは、人を育てあげ、大成させるのはこれほどむずかしいと いうことである。
 従業員のすべてを同等に扱い、その各人と強い結びつきをもつ というのは一種の理想主義、あるいは幻想である。しかし、本当 の教育とは、つまるところマン・ツー・マンで行なわれるべきも のだ。中途半端に、だれもかれもでは、結局ただの一人も「人を 残す」ことができなくなってしまう。
 だから、自分がこれぞと思う人間がいたら、全情熱をかたむけ てその人間を育てあげる。その人間の全人生に責任を負うぐらい の気持ちで面倒をみるのだ。
 そうして自分が目をかけた人間が着実に育っていけば、その人 間はきっとまた別の人間を育て、やがて会社全体のレベルが向上 する、これが「人材育成」の本道であり、あるべき姿なのである。


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