《今週のテーマ》
★ホウレンソウの教訓
これまで「計画」を立案する(ストーリーづくりをする)うえ
でのさまざまな注意事項を述べてきたが、じつは、もう一つ忘れ
てはならない重要ポイントがある。
それは、ストーリーづくりをし、そのストーリーを進行してい
く主役はあくまで第一線の人々であり、しかも全員参加を基本と
する、ということです。ある「計画」に対し、社員のすべてが何
らかの形で参加し、自由に意見を交換しあう、そんな状況があっ
てこそ、「計画」ははじめて現実的な力を持つのである。
その際、経営者は、いわばプロデューサー役に徹し、バックか
ら「計画」を後押しし、実現にむけて最大限の努力をするとよい。
具体的には、まず「誰にやらせるか」しっかり意志を入れて責任
者を決め、ついで「計画」を推進するための組織づくりをする。
もちろん、この組織は、各人が自由に意見を言いあえ、しかも
「計画」遂行のために一丸となって結集している、というもので
なければならない。あくまで全員参加、衆知結集の組織をつくる
ことが肝要なのである。
では、このような全員参加の体制をつくるため、プロデューサ
ーとしての経営者はどのような配慮をすればよいか。
『山種証券』の山崎富治社長(当時)は、実にユニークな経営
哲学を持っておられる方で、氏がことあるごとに社員たちに対し
て、ホウレンソウを配るのは有名な話である。これは氏の社員に
対するメッセージなのである。
ホウレンソウは「報告」=ホウ、「連絡」=レン、「相談」=
ソウ、を意味する。つまり、いかなる場合でも、報告、連絡、相
談を欠かすことなく、会社の人間すべてがコミュニケーションを
密にし、全社一丸となって企業活動を推進していく、そういう社
員同士の一体感を盛りあげるための配慮なのである。
これを、単に口先だけの説教にせず、野菜の配給というユーモ
アたっぷりの行為で示したところに、氏の卓越した発想力がうか
がえる。こんな気のきいた、しかも思いやりに満ちたメッセージ
を受けとったら、社員としても、経営者に対する信頼をいっそう
深め、いやでも張りきらざるをえない。社長の顔を見るたびに、
ホウレンソウを思い浮かべ、そして、「報告」「連絡」「相談」
の大切さをかみしめることになるだろう。こうして社内のコミュ
ニケーションがより活発になり、会社が一つの目標にむけて結集
する体制が整っていくのである。
会社というのは、「企画」や「計画」の課題推進の場であると
同時に、「人材育成」の場でもある。このことは決して忘れない
でいただきたいと思う。
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メールマガジン『社長の着眼』
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