《今週のテーマ》
★坂本竜馬の先見性
“あるべき姿”を明確化して仮設を検証し終えたら、それを実
現すべく、基本的な方針、政策を練り、いよいよ未来へのシナリ
オづくりに着手する。これが、ステップ1「企画」、ステップ2
「問題の切り捨て」につづくステップ3「計画」である。
この「計画」について強調しておきたいのは、“あるべき姿”
を描き、それを具体化しようとするなら、従来の考え方や既成概
念、あるいは旧来からの慣習やシステムにこだわらず、自由な創
造性を発揮せよということである。
従来のものの考え方、既成概念にしばられてこだわりを持つと、
そこからはなんの発展性も生まれてこない。こうしたやり方は、
言い換えれば、より安易で簡単な道を選んで、自力で考えること
を放棄しているのと同じことだといえる。
したがって、未来の“あるべき姿”を確実にわがものとするた
めには、問題をたえず新しい視点、違った角度から考え直してみ
ようという、意欲的な姿勢がどうしても必要であろう。
幕末の志士、坂本竜馬のエピソードに、つぎのようなものがあ
る。
竜馬の同志の一人に檜垣清治という男がいた。
ある日、竜馬がこの人物に会ったとき、彼は、武士の魂である
長刀を差していた。そこで竜馬は、懐から一振りの小刀を取り出
して、「大刀は無用の長物。非常のときはこれにかぎる」といっ
て聞かせた。
それから檜垣は小刀にあらためたのだが、つぎに会うと、竜馬
はこんどはピストルを示して、「西洋の新しい武器のほうがまさ
る」といって聞かせた。
そして、またつぎの機会には、「これからの時代に万人を動か
すのは学問だ」と言い放って、檜垣の目を白黒させるのである。
この逸話は、国の未来=あるべき姿をしっかり見すえ、そのう
えで常に時代に先がけてものごとに対応していった竜馬のすぐれ
た先見性を、じつによくあらわしている。つまり、竜馬は従来の
考え方や固定観念にとらわれることなく、いっさいのこだわりを
捨てて、新しい思考や発想にたくみに頭を切り換えていったので
ある。それもこれも、彼の眼前に不動の“あるべき姿”が見えて
いたからこそといえるのではないか。
企業経営とは、結局文化の創造であり、ロマンの現出にほかな
らないのだ。会社を大きくしていくためには、新しいものを生み
出そうとする力がどうしても必要なのである。
現実の経営の局面においても、「企画」するにせよ、「計画」
するにせよ、この大志だけはけっして忘れてほしくないものだ。
---------------------------------------------
メールマガジン『社長の着眼』
毎週月曜日発行
発行元:ヤスンドコム http://www.yasundo.com
---------------------------------------------
|