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社長・経営者のためのメールマガジン

〜〜〜『社長の着眼』〜〜〜

2006年09月19日号(vol.156)
毎週月曜発行
発行:飯塚保人(ヤスンドコム http://www.yasundo.com)
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《今週のテーマ》
★あるべき姿は「絵に画いた餅」ではない

 実際に私が経営診断をして、コンサルティングを行う場合、ま ず私は、経営者、あるいは会社幹部の方々に、3年先とか5年先 の“あるべき姿”を描いてもらい、その基本目標に沿って具体的 な仮設をたててもらう。たとえば、「将来、売り上げをいくらに 伸ばしたいか」「従業員数をどれくらいふやしたいか」「販売エ リアをどこまで拡大するか」といった設問をもとに、その会社の テーマ、コンセプト、ミッション、ドメイン、あるいは哲学とい ったものを提出してもらい、それを基礎に具体的なイメージとし て未来図を作成してもらうのである。
 そして、「年商を60億にしたい」「従業員を300名にふやしたい」 など仮設が具体化されたら、現在の会社の状態とその仮設を対比 させて、その差を視る。もちろん、これは、単純な売り上げの比 較、従業員数の比較などということではない。もっと多角的に、 生産面、販売面、商品面などあらゆる角度から検討を加えて、未 来と現在とのギャップをみつめ、立てられた仮設の全体的な整合 性をチェックするのである。
 この間、私と相手の会社の代表者とのあいだでは、真剣なディ スカッションが展開されることになる。「なぜそうなるのか」 「どこからその数字が出てきたのか」といった質疑応答が何日も 続き、激論が繰り返されるのである。

 数年前、あるOA機器の販売会社のコンサルティングを手がけ たとき、その会社のパンフレットの「世界の○○をめざす」とい う一文を見つけて、オヤと思ったことがある。ぶちあげたアドバ ルーンはでっかいが、はたして、その未来図にしっかり意志が入 っているのか、整合性をチェックするために、きちんと検証がな されているのか、疑問に思ったからである。
 そこで、その会社の経営者に、「本気でこのような未来像を描 いているのでしょうね」とたずねたところ、「いえ、ただ景気づ けのために書いてみただけです」という返事。つまり、経営者を 含めて、その会社の社員のだれもがその「未来図」の具体的イメ ージをまったく持っていず、はじめから信用していないのである。

 もちろん、こんなものは“仮設”でもなんでもなく、絵に画い た餅で、いうなれば一種のジョークにすぎない。
 つまり、現在と未来との差が無限大に広がっていて、現実レベ ルでの検証が不能な仮設は、単なる幻想であり、本質的に“ある べき姿”とは無関係だということである。
 もしこの会社が真剣に“あるべき姿”を描き、未来に対する仮 設をたてるつもりだったら、とりあえず、そのキャッチも「東京 都の○○をめざす」とか、「千代田区の○○をめざす」といった 言葉になるはずだ。そこには、検証が可能な現実の空間が存在す るし、具体的なイメージが見出せるからである。


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