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社長・経営者のためのメールマガジン

〜〜〜『社長の着眼』〜〜〜

2006年08月07日号(vol.151)
毎週月曜発行
発行:飯塚保人(ヤスンドコム http://www.yasundo.com)
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《今週のテーマ》
★「愚公、山を移す」に見る“あるべき姿”

 会社の未来図を描く、10年先、20年先の“あるべき姿を描く” ということに関して、私がいつも思い出すのは、「愚公、山を移 す」という中国の有名な寓話である。

 その昔、愚公(おろか者)という九十翁がいた。彼は、息子と 孫の3人で、家の前に立ちふさがる山をくずしにかかった。土を 捨てに海まで行くのに半年はかかろうという、なんとも気の長い 話である。
 これをみて、智叟(りこう者)という者が「なんとばかげたこ とをはじめたものだ。おまえが生きているあいだに、とうてい山 がくずせるはずもないのに・・・」
 とせせら笑った。
 これに答えて、愚公が言うには、
「おまえさまには、なにもわかっちゃいないね。たとえ私が死ん でも子どもがいる。子どもが孫を生む。孫がまた子どもを生む。 その子どもにまた子どもができる。こうして子々孫々受けついで 絶えることがない。だが、山はこれ以上高くなることはない。い つか平らにできることがわかっていて、その姿がありありと浮か んでくるのに、今はじめないなんてそっちのほうがよほどばかげ たことよ」

 悠久の民族の名にふさわしいいかにもダイナミックな思想だが、 ひるがえって現代日本の経営者たちを考えてみると、会社運営の 将来にこれほど豊かな未来図を描いている人間は、いったい何人 いるだろうか。多くの経営者たちがせっかちになりすぎるあまり、 今のトレンドとやらをコセコセ読むだけの、目先のきく小りこう な智叟になってはいないだろうか。
 “将来のあるべき姿”を描くというのは、けっして見果てぬ夢 を追い、夢まぼろしのお伽話を語ることではない。自分がそうし たいと願うことを実現可能なレベルではっきりイメージさせるこ と、それがすなわち“あるべき姿”を描くということにほかなら ないのである。
 だから、とほうもなく大きなアドバルーンを打ち上げることが、 “あるべき姿”を描くことではむろんない。大切なのは、自分の 夢、希望にしっかり“意志”を入れ、現実的なイメージとして脳 裏に焼きつけることである。具体的にいうなら、たとえば、5年 後には、今の売り上げを3倍に拡大する、今までAという製品し か扱っていなかったものを、B、Cという製品も扱って新規事業 にチャレンジする。あるいは、関東圏だった販売エリアを拡大し て、関西圏にも進出する。・・・こういった会社の基本目標を立 てて、そこに“意志”という筋金を叩き込むのだ。先の寓話で、 愚公が偉大なのは、その夢のスケールがビッグだからではなく、 そのはかりしれない夢にきちんと“意志”を入れ、現実的なイメ ージを持っているからである。


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