《今週のテーマ》
★問題を愛せ
コンサルタントという仕事は、問題解決の連続である。企業は
問題があるからコンサルティングを依頼する。だから私のような
商売は、絶えず問題の渦のなかに埋もれているようなものである。
この仕事に携わった当初は、胃の痛くなるような毎日だった。今
日も問題、明日も問題。ところが問題と毎日向き合い、いかに解
決していこうかと頭を悩ませていくうち、その問題と仲良くして
いる自分に気付いたのだ。
「問題解決の第一歩は問題発見である」
そこに気付いたからだ。それからはどんどん問題を愛せるよう
になったのである。相手が10考えたら、私は11のことを提示する。
そのためにはあの手、この手で問題と取り組んでみる。視点を変
えてみる。こういう切り口で見ればもっと違った角度で見られる
かもしれない。立体的に見てみたらどうだろうか。一つの問題を
いろいろな角度から眺めて、ああでもない、こうでもないと考え
ると、方法論はいくらでも沸いてくるものだ。
私が以前手がけたコンサルティングに、ホテル付きゴルフ場の
「歓待計画」というのがあった。
このゴルフ場は、温暖な気候風土、素晴らしい景色という恵ま
れた立地条件を備えているにもかかわらず、お世辞にも流行って
いるとはいえないゴルフ場だった。なんとかお客を呼べるように
したいという経営者の依頼を受けて、まずはそのホテルに一泊し
てみた。お客がこない理由はすぐに判明した。
まず第一には、従業員教育がなっていなかったことだ。ホテル
というサービス産業に求められているホスピタリティマインドに
著しく欠けていたのである。第二の問題点は、食事がおいしくな
いことだった。外注に任せた料理の味は、これもまたお世辞にも
おいしいとはいえなかった。
私はまず、従業員の徹底教育を提案した。くつろげる従業員の
笑顔と心の改革である。次に、食堂部門を新設して腕のいいシェ
フを雇い入れた。そして第三の手は、総ひのき風呂を作ることだ
った。結局はこの第三の手が効を奏してお客が集まるようになり、
このホテルは立派に変身を遂げたのである。
問題解決には、必ず三つの手を組み合わせる。この方法はビジ
ネス遂行には欠かせない戦略なのでよく覚えておくといいだろう。
単一の手では、もしもそれが失敗したときの軌道修正に困難があ
る。必ず三つ以上の手を組み合わせて問題に取り組む。経営戦略
の基本ともいえるものだが、ビジネス現場にも十分に応用の効く
手段である。
問題だ、悩みだと深刻に抱え込まないで、ふっと肩の力を抜い
て、いろんな角度から客観的に問題を眺めてみるのだ。遠くの山
が見えていれば、問題は必ず解決するはずなのである。
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