《今週のテーマ》
★責任転嫁しても始まらない
現実に不満を抱き、転職を考える。こういう考え方は、もう一
つの側面をきまって持ち合わせているものなのだ。それは「責任
転嫁の構造」である。
「うちの課長はなんであんなに融通がきかないんだ。無能な上
司をもった悲劇だな。俺の能力を見抜けないで、雑務ばかりやら
せる」
「会社の体質がどうも俺にはあわない。こんなやり方で社員の
働く意欲が湧くとでも思っているのか」
“現実の否定”がそれだ。再三再四言うようだが、未来は“い
ま”の連続である。“いま”充実していなければ未来はないに等
しい。
言い換えれば、現実を否定することは自分自身の未来を否定し
ていることにほかならないのである。だが、多くの人は、目先の
不満のとりこになって、ああでもない、こうでもないと、酒を飲
みながらくだをまく。会社を否定し、上司を否定し、自分の回り
のあらゆることを否定してかかる。あげくは自分自身の過去まで
も否定する。
これらは明らかに「責任転嫁」の構造である。人間には、自分
のいまある現状を自分以外の何者か、あるいは何事かによってコ
ントロールされていると考えたがるところがある。
つまり、いま自分が不満に感じているものはすべて、外的な力
が加わることによって起こったことで、その責任はすべて自分か
ら発したものではないと思う気持ちである。
いま目の前にある事実を自分に引き寄せて考え、責任を取るこ
とを回避していることにも十分気づいているはずなのである。自
分に向ける批判が甘いことも十二分に承知しているのである。
端的に言ってしまえば、いまある現実から逃げているのだ。だ
から自分以外の何かにその責任を負わせようとする。そのほうが
一見楽そうに見えるからだ。だが、会社が悪い、上司が悪いと批
判してかわるものはごくわずかでしかない。自分自身の過去であ
ればなおのこと、変えることは絶対にできない。
現実を否定し、不満を抱くまえに、まず自分自身に目を向けて
みる。責任転嫁の構造をぶち破ってみることだ。過去と他人は変
えられない。変えられるのは今と自分です。
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